パナシア、HMM・サムスン重工と舶用バイナリー発電システム(ORC)実証を推進

19日、サムスン重工R&Dセンターで実施された舶用バイナリー発電システムのMOU テクノロジー
19日、サムスン重工R&Dセンターで実施された舶用バイナリー発電システムのMOU

韓国最大の船社であるHMM、サムスン重工業、そしてパナシアは17日、サムスン重工R&Dセンターにて、舶用バイナリー発電システム(ORC:Organic Rankine Cycle)の海上実証に関する業務協約(MOU)を締結した。

舶用バイナリー発電システムは、船舶エンジンから発生する廃熱を回収し、船舶運航に必要な電力を生み出す技術である。中低温(70~300℃)の廃熱でも発電できるのが特徴。

今回の協約に基づき、上記3社はワーキンググループを構成し、HMMが運航する16,000TEUコンテナ船に250kW級ORCシステムを搭載して発電効率を検証するプロジェクトに着手する。

HMMが実証船舶と提供し、運転データをリアルタイムで共有する。サムスン重工は、制御システムとの連携安定性の確認や技術支援を担う。パナシアは、ORCシステムの詳細設計・製造・設置・試運転・性能検証を総括し、運航データに基づく性能分析と信頼性検証を行う。

パナシアの李民杰(イ・ミンゴル)代表取締役は次のように述べた。

「本プロジェクトが成功裏に実証されれば、対象船は年間約700トン以上のCO₂排出削減効果が期待できる。従来のバイナリー技術のデメリットを 相当程度補完しているため、 実現の可能性が高い装置だ。また、LNG・アンモニア燃料船の場合は熱量が多いので装置を搭載しやすい環境でもあります。今回の3社による共同検証を通じて、さらに信頼性が担保された装置の実現を目指します。」

HMM、サムスン重工、パナシアは過去にもOCCS(舶用二酸化炭素回収装置)のフルスケールプロジェクトを成功裏に完了しており、次回のプロジェクトも業界から注目されている。

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