ICCがプーチン大統領に逮捕状を発行 ウクライナからの子供の強制移送が問題に

オランダのハーグにある国際刑事裁判所 (ICC) の常設施設/ UN Photo/Rick Bajornas 国際

国際刑事裁判所(ICC)は17日、ウクライナからロシアへの子供の強制移送に関与したとして、ロシアのプーチン大統領とロシア児童権保護委員会のマリア・ルボワ・ベロワ委員に対して逮捕状を発行した。これは、昨年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻以来、初めての法的措置である。

ICCは声明で、「プーチン氏は個人的な刑事責任を負う合理的な根拠がある」とし、「他者と共同で直接犯罪を犯したことや、部下が犯した行為に対して適切な管理を怠ったこと」を理由に挙げた。また、「数百人のウクライナの子供が孤児院や児童養護施設からロシアへ連れ去られた」と指摘し、「多くの子供はその後、ロシア連邦で養子に出されたと推定される」と述べた。

CNNや他のメディアは先月、15歳のアリーナ・ヤチュークさんなど、345人のウクライナ人子供が昨年2月以降行方不明になっていると報じていた。ウクライナ政府は、多くの行方不明者が強制的にロシアへ連れ去られたと主張している。一方、ロシア政府はウクライナ人子供を連れ去ったことを否定せず、その養子縁組を宣伝活動の柱としている。

逮捕状発行後、プーチン氏はICC加盟国123カ国で逮捕されてハーグへ送られる可能性がある。しかし実際に裁判が開かれる見込みは低い。ロシアもウクライナもICC加盟国ではなく、ICCは欠席裁判を行わないからだ。被告人はロシア政府に引き渡されるか、ロシア以外で逮捕されなければならない。

プーチン氏は現職大統領として3人目の逮捕状対象者となった。これまでスーダンのオマル・バシール大統領やリビアのムアンマル・カダフィ大統領も同様だった。

この件に関し、日本政府は「ICC加盟国として法的手続きを尊重する」としながらも、「平和的解決へ向けて外交努力を重ねていく」と表明した。

Photo Creidt: UN Photo/Rick Bajornas via flickr

Comments

タイトルとURLをコピーしました