夏の旅行シーズンが本格化する中、アメリカ運輸保安局（TSA）は、空港でのデバイス充電や公衆WiFiネットワークの利用時にサイバー犯罪への警戒を呼びかけています。旅行者が空港の公共USB充電ステーションや安全性の低いWiFi接続を利用する際、サイバー犯罪者の標的になるリスクが高まっているためです。
どんなリスクがあるのか？
TSAの警告の中心は「ジュースジャッキング」と呼ばれる手口です。これは、ハッカーが公共のUSB充電ポートやケーブルを不正に改造し、接続されたデバイスにマルウェアを仕込んだり、データを盗み取ったりするサイバー攻撃です。現実での被害報告はまだ少ないものの、専門家による実演では、充電ケーブル1本で簡単にデバイスが侵害される危険性が示されています。
なぜ空港が狙われるのか？
空港は多くの人が行き交い、時間に追われているため、充電ステーションの利用が頻繁です。このような状況は、サイバー犯罪者にとって絶好の機会となります。TSAの担当者は「多くの人がいて、たくさんのデバイスがあり、注意が散漫になりやすい空港はハッカーにとって理想的な場所です」とコメントしています。
TSAは、旅行中のデータ保護のために以下の対策を推奨しています。
- 自分の充電器を使う： 専用の充電器とケーブルを使い、コンセントから直接充電しましょう。
- モバイルバッテリーを持参する： ポータブルバッテリーなら公共の充電ステーションを使わずに済みます。
- USBデータブロッカーを利用する： 充電はできてもデータ通信を遮断するアダプタで、安価かつ効果的にリスクを減らせます。
- 公衆WiFiの利用に注意： 公共WiFi利用時は銀行口座などの機密情報へのアクセスを避け、可能であればVPNを利用しましょう。
空港の公衆WiFiも危険が潜んでいます。ハッカーが公式ネットワークに似せた偽のWiFiを設置し、利用者の個人情報を盗み取るケースも報告されています。必ず空港スタッフに公式ネットワーク名を確認してから接続してください。
ジュースジャッキングの脅威はまだ理論上のものですが、TSAの警告は、旅行中もサイバーセキュリティへの意識を高める良い機会です。少しの注意と対策で、楽しい旅の思い出が台無しになるリスクを大きく減らせます。
安全に、そして楽しい旅をお過ごしください！
Comments