– 仁川創造経済革新センター「オープンウェーブ・グローバル2025」選抜3社、日本企業・消費者向け実証と協力を拡大
AI・バイオ・エネルギー分野の韓国スタートアップ3社が、日本での技術検証およびパートナーシップ構築を本格的に進めている。これらの企業は、韓国中央政府が設立した公共創業支援機関である仁川創造経済革新センター(以下、仁川創革)が運営するグローバル進出プログラム「オープンウェーブ・グローバル2025(OpenWave Global 2025)」の支援企業であり、日本の産業・消費者市場ニーズに基づいた実証プロジェクトを展開している。
仁川創革は全国19センターの中でグローバル協力機能を担い、毎年数百の技術企業に対し、投資、オープンイノベーション、PoC、市場検証、パートナー発掘を支援してきた。日本市場では製造業DX、高齢化対応医療、エネルギー効率改善など課題が多く、韓国技術スタートアップとの協業可能性が高まっている。
1. スタジオラボ(StudioLab)
* ファッション・EC企業の「コンテンツ制作DX」需要に対応
スタジオラボはAI・ロボティクス技術を基盤としたコマース向けコンテンツ自動化ソリューション企業である。韓国ではF&F、シンソントンサン、ネイチャーホールディングスなど主要ファッション企業と協業し、技術を実証してきた。
主力プラットフォーム「ジェンシー(GENCY)」は、衣類の撮影・編集・アップロードを自動化し、EC企業が抱える制作人材不足や工程のボトルネック解消に特化している。
スタジオラボは2年連続で「ファッションワールド東京」に参加し、日本のファッション企業との協議を進めており、プリクラ市場に適したAI撮影ソリューションの応用可能性も検討中である。
スタジオラボ関係者は「日本のファッション・EC企業の運用方式に合わせ、技術検証を拡大している」と述べた。
2. ゼネバイオ(ZeneBio)
* 高齢化・ペット市場拡大に対応する「遺伝子ベース健康管理」実証
ゼネバイオは、人およびペットの口腔遺伝情報を基にAI分析技術を開発するバイオ・ヘルスケアスタートアップである。
人向け診断キット「マイデンティ(Mydenti)」、ペット疾患予測キット「ピーターズラボ(Peter’s Lab)」を通じ、精密医療サービスを提供している。
日本ではペット飼育増加と高齢化の影響で予防中心の健康管理需要が急速に増加している。ゼネバイオはこの市場に合わせ、2024年に日本法人「ピーターズラボ株式会社」を設立し、ペット向け遺伝子診断サービスを優先して開始した。
現在、現地流通企業や動物病院との協力を広げ、日本市場での疾患予測サービスの信頼性と適用可能性を検証している。
代表のチ・デギョン氏は「日本の消費者と動物病院のニーズを反映し、データ基盤の医療サービスを現地で定着させることに集中している」と語った。
3. ティルダ(Tilda)
* 製造業の電力コスト上昇に対応する「AI電力最適化」
ティルダは産業・エネルギー分野のAI最適化ソリューションを提供する企業で、日本製造業が直面する電力費上昇・生産効率改善課題に対応している。
2025年1月に神戸に法人を設立し、富士電機、王子製紙などの日本製造企業を対象に、生産プロセスデータ分析や省エネプロジェクトを進めている。
日本企業THINKi Inc.と共同開発した「アーグマックス・パワー(ArgMax Power)」は、ESS運用データをAIで解析し電力使用量を最適化する技術で、3月の大阪PV Expoで現地企業向けにデモが予定されている。
ティルダ代表のチョン・ジリャン氏は「日本製造企業との共同プロジェクトを通じ、省エネ成果を定量的に確認することに集中している」と述べた。
韓日基盤の実証型協力モデルを強化
3社は単なる輸出やPoC(概念実証)にとどまらず、日本現場での実使用データに基づく技術検証と、パートナーシップによる事業化を目指している。
仁川創革関係者は「オープンウェーブ・グローバル2025は、日本企業・機関との実証協力を通じ、韓国スタートアップがアジア市場で事業拡大型モデルを構築できるよう支援するプログラムだ」と述べ、「日本の産業構造・社会課題に応じた技術協力モデルを継続して発掘している」と話した。
今回のプロジェクトを通じ、韓国スタートアップは日本市場の産業特性と顧客ニーズを深く理解し、AI・バイオ・エネルギー分野での韓日共同成長の可能性を広げている。

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