8月5日(火)、地球の自転速度が記録上最も速い水準の一つになると予測されており、1日の長さが標準の24時間より1.25ミリ秒短くなります。今年の夏には、これが7月9日と7月22日に続く3回目の異常な短日となり、科学者たちを困惑させる謎の現象が続いています。
この自転加速の即時的な要因は、月の位置に関連しています。8月5日には月が地球の赤道から大きく南側に位置し、潮汐力が地球の自転速度に微妙な影響を与えています。月が赤道から最大距離に達することで、地球の自転速度がわずかに速くなる現象が観測されており、今夏の3回の短い日もこの月の運動に由来すると考えられています。
「月が地球の赤道から大きく北側または南側に寄ることで、地球の自転が加速することがある」とCNETの分析でも指摘されています。このような月の位置による重力のバランスの変化が、地球の自転の“揺れ”を生み出し、観測可能な自転速度の上昇をもたらします。
根本的な謎は未解決のまま
一方で、短日が発生する度に月の高い赤緯が関与しているものの、2020年頃から始まった地球自転の加速傾向そのものは、未だに明確な理由が解明されていません。地球の自転は本来、数百万年単位で月による潮汐摩擦のため徐々に遅くなってきており、1世紀ごとに1日の長さが約2ミリ秒長くなるとされています。しかし、1973年からの公式観測記録では、この減速傾向が続いていた一方、ここ数年は逆に加速傾向が見られています。
「誰もこの現象を予測していませんでした」と、モスクワ国立大学のレオニード・ゾトフ博士はコメントしています。2023年のNature誌の研究によれば、地球の液体の核が2010年以降に減速し始めた可能性があり、その影響で外側の地球が相対的に速く回転している可能性がある、とも指摘されています。ただし、この仮説の確証はまだ得られていません。
このまま自転加速が続けば、世界時と地球の自転のズレを修正するために、史上初めて“マイナスうるう秒”を2029年頃に導入しなければならない可能性も出ています。
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