スーダンでの戦闘の背景には何があるのか?

Credit: UNMISS, Flickr 国際

軍と急速支援部隊(Rapid Support Forces)との対立は、スーダンとアフリカの角の安定を損なっている。

スーダンでは、2019年に独裁者オマル・アル=バシール大統領が軍事クーデターで失脚した後、民主化への道を歩み始めた。しかし、その過程は決して平和的なものではなかった。軍と民間の共同暫定政権が樹立されたものの、その中で最も影響力を持つのは、かつてバシール政権に協力してダルフールや南クルドファンなどで虐殺や強姦を行ったとされる準軍事組織、急速支援部隊(RSF)だった。

RSFは、元ジャンジャウィードと呼ばれる民兵組織から発展したもので、2013年に正式に軍に組み込まれた。その指揮官はモハメド・ハメダティ中将で、現在は暫定政権の副議長を務めている。ハメダティは、バシール政権崩壊後も自らの権力を拡大しようとし、RSFを国内外で活動させた。例えば、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)から資金援助を受けてイエメン内戦に参戦したり、リビアや中央アフリカ共和国で傭兵として働いたりした。

しかし、RSFの野心はスーダン国内でも抑えられなかった。2020年10月には、暫定政権がイスラエルとの関係正常化に合意したことに反発し、ハメダティは自らがイスラエルと交渉することを主張した。また、2021年7月には、暫定政権が国際通貨基金(IMF)と結んだ経済改革計画に反対し、物価高や燃料不足などを理由にストライキやデモを起こすよう市民に呼びかけた。

これらの動きは、軍とRSFの間に深刻な対立を生み出した。軍は、RSFが暫定政権や民主化プロセスを妨害していると考えるようになった。一方、RSFは、軍が自分たちを排除しようとしていると感じるようになった。この対立は、2021年10月25日にクーデター未遂事件が発生したことで表面化した。この事件では、RSFの一部が首都ハルツームで暴動を起こし、軍司令部や国営放送局などを攻撃した。しかし、軍はこれを鎮圧し、RSFの幹部や兵士を逮捕した。

この事件は、スーダン国内だけでなく、地域的な安全保障にも影響を与えるこの事件は、スーダン国内だけでなく、地域的な安全保障にも影響を与える。スーダンでは2021年10月に軍事クーデターが発生し、民政移管のプロセスが停止した。その後、国軍とRSFとの間で権力闘争が激化し、首都ハルツームや他の都市で武力衝突が繰り返された。多くの市民が軍の支配に反対して抗議デモを行い、死傷者が出た。国際社会はクーデターを非難し、民政への復帰を求めた。アメリカはスーダンへの支援金を停止した。スーダンはアフリカの戦略的に重要な国であり、隣国エチオピアやエリトリアなどとも関係が深い。スーダンの不安定化は、地域全体に波及する恐れがある。

Photo Credit: UNMISS, flickr

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