米国501(c)(3)認定非営利団体で世界最大の手話データベース構築を目指す Spokhand は、デフリンピックの国際統括組織である 国際ろう者スポーツ委員会(ICSD) と戦略的協力関係を結び、2025年11月15日~26日に開催される 東京2025デフリンピック を支援すると発表しました。本協力は、スポーツの持つ卓越性と最新技術を組み合わせ、ろう者アスリートの国際的な認知を高めるとともに、アクセシビリティ技術に新たな可能性を開く取り組みです。
デフリンピックとその意義
デフリンピックは1924年に創設された、パラリンピックよりも古い歴史を持つIOC(国際オリンピック委員会)公認の国際スポーツ大会です。東京大会には100カ国以上から約6,000人のろう者アスリートが参加する予定で、予算規模は1億ドルに上ります。その規模と伝統にもかかわらず、メディアへの露出は限られており、一般の人々の間での知名度は依然として低いのが現状です。今回の協力はこうした認知度の低さに光を当て、デフリンピックの魅力と意義を広く伝えることを目指しています。
キャンペーンの目的
SpokhandとICSDは国際的な広報・アクセシビリティキャンペーンを開始し、以下の3つを主要目標に掲げています。
1. 認知拡大: 多言語・多文化対応のコンテンツを制作し、ろう者・聴者双方に向けてデフリンピックの情報を発信する。
2. アスリート紹介: 各選手の人生や競技での成果に焦点を当て、競技の枠を超えたリーダーシップや社会的役割を広く紹介する。
3. 技術実演: 手話アバターや国際手話翻訳などのAI技術の実用性を示し、コミュニケーションの壁を低減する。
キャンペーン第一弾の動画では、ろう者のアスリートがフランス手話で語り、それを3Dアバターが国際手話に翻訳、さらに英語の字幕が加えられます。この多層的な表現方法により、新たなアクセシビリティの可能性を提示します。
Spokhandの取り組み
現状のAIには、正確な手話翻訳を実現するための十分なデータが蓄積されていません。Spokhandは、包括的かつ倫理的な手法で収集した手話のデータベースを構築し、将来のリアルタイム手話翻訳やコミュニケーション支援ツールの基盤整備に取り組んでいます。データ収集には必ずろう者コミュニティが参画し、文化的配慮を徹底することで、信頼性と真正性を兼ね備えたデータベースを構築します。このデータベースが、AI技術による手話コミュニケーション実現の礎となることを目指しています。
東京での展開
Spokhandチームは2025年11月10日~27日の期間に東京へ赴き、現地でイベント参加、アスリートへのインタビュー、ICSDとの共同制作などを行い、デフリンピックの模様をリアルタイムで発信します。さらに日本のろう者団体や企業、大学などとも連携し、スポーツの枠を超えた幅広いアクセシビリティ施策を模索します。日本はSpokhandにとって国際展開上、重要な拠点であり、東京2025デフリンピックへの取り組みはその第一歩となります。
今後の展望
今回の協力は、Spokhandの国際的な信頼性を高めると同時に、手話によるアクセシビリティが世界の技術インフラに組み込まれていく未来像を示唆するものです。東京大会での活動を成功させることで、大規模なスポーツイベントが社会的課題の解決や先端技術の実証に活用できることを示す機会となり、ひいては他の国際スポーツ組織との連携にもつながっていくでしょう。
キャンペーン関連映像(Instagramにて公開中)
• 日本手話(JSL) → 国際手話 翻訳動画: https://www.instagram.com/reel/DPTQntUDbpV/
• アメリカ手話(ASL) → 国際手話 翻訳動画: https://www.instagram.com/p/DOLW60WjVO4/
詳細は公式サイトをご覧ください:【spokhand.org】(日本語ページあり)。
メディア関係お問い合わせ先
会社名:Spokhand(スポークハンド)
担当者:フロリアン・メルー
所在地:米国ジョージア州アトランタ
公式サイト:https://spokhand.org
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