ツバルの人口の三分の一以上が、オーストラリアの新しい気候ビザに申請したことが明らかになり、この小さな太平洋諸島国家で高まる海面上昇への不安が浮き彫りになっています。オーストラリアとハワイの間に位置する9つの低地環礁に約1万1,000人が暮らすツバルは、世界で最も気候変動の影響を受けやすい国の一つとされています。科学者たちは、海面上昇により数十年以内に国土の大部分が居住不可能になると警告しており、すでに2つのサンゴ環礁が海に沈みかけています。
6月にビザの抽選申請が始まって以来、1,100人以上のツバル人が主申請者として登録し、家族を含めると申請者数は4,000人を超えます。この数字は国民の三分の一以上に相当し、2024年に締結されたファレピリ・ユニオン条約の下でオーストラリアが設定した年間280人のビザ枠を大きく上回っています。申請受付は7月18日に締め切られます。
このビザに当選したツバル人とその家族は、オーストラリアで生活・就労・就学が可能となり、医療や教育もオーストラリア市民と同等に受けられます。このプログラムは、気候変動による存続の危機に直面するツバルの人々に、法的かつ尊厳ある移住の道を提供するために設けられました。申請者の多さは、ツバルの気候危機の切迫感と、国民に残された選択肢の少なさを如実に示しています。
写真提供: UNDP Pacific Office in Fiji, flickr
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