地球の大気中のCO₂濃度が数百万年ぶりの高水準に達する

地球の大気中のCO₂濃度が数百万年ぶりの高水準に達する 国際

科学者たちは、地球の大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度が数百万年ぶりに最も高い水準に達したことを確認しました。

現在の大気中のCO₂濃度は430ppmを超えており、これは人類が大気のガスを観測し始めて以来の最高値です。このレベルは約1400万年から1600万年前の中新世(ミオシーン)以来の高さです。

CO₂は温室効果ガスであり、大気中の熱を閉じ込めて地球温暖化の主な原因となっています。産業革命前(約1750年頃)にはCO₂濃度は約280ppmでしたが、それ以降、石炭や石油、天然ガスの燃焼により急激に増加しています。

ハワイのマウナロア観測所は1958年から大気中のCO₂を測定しており、そのデータは「キーリング曲線」として知られています。この曲線は過去数十年間のCO₂濃度の着実かつ劇的な上昇を示しています。これらの観測結果は世界中の他の観測所や氷床コアの分析とも一致しています。

約1400万年前の中新世には、現在と同じくらいのCO₂濃度が存在していましたが、その時代の地球ははるかに暖かく、グリーンランドや北極にはほとんど永久凍土がなく、海面は現在よりも約23メートルから36メートル高かったとされています。森林や草原が広がり、人類の祖先が進化し始めた時期でもあります。

科学者たちは、CO₂濃度の上昇が続けば、極端な気象現象の増加や海面上昇、生態系の大きな変化が予想されると警告しています。そのため、化石燃料の使用削減やクリーンエネルギーへの投資が重要な対策とされています。

地球のCO₂濃度が人間に与える影響と排出の多い地域

CO₂自体は通常の大気中濃度(約400~430ppm)では直接的な健康被害はありませんが、屋内環境や都市部などで濃度が高まると、集中力の低下や頭痛、疲労感などの症状が現れることがあります。特に600ppmを超えると短時間でも認知機能の低下が報告されており、800ppmを超えると呼吸器疾患や慢性的な疲労、睡眠障害などのリスクが高まります。さらに、長期的な高濃度暴露(2,000~5,000ppm)では、腎臓や骨への悪影響、脳血流の異常、さらには酸性血症による健康障害が動物実験などで確認されています。また、CO₂濃度の上昇は酸性雨や気候変動を通じて間接的に人間の生活や健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

CO₂排出量が最も多い地域は、工業化が進んだ国や都市部です。特に中国、アメリカ、インド、EU諸国などが世界全体の排出量の大部分を占めており、発電所や工場、自動車の排ガスなどが主な原因です。都市部や工業地帯では、交通量やエネルギー消費が多いため、局所的に大気中CO₂濃度が高くなる傾向がありますこのような地域では、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの導入が急務とされています。

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