新しい指標は、外的な注意散漫、侵入的思考、心の彷徨を組み込んだもので、強い過集中状態とも関連している。
1,000人以上の参加者を対象としたさまざまなタイプの注意散漫に関する研究で、研究者たちは統計的に、人の注意散漫に対する一般的傾向を表し、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関連する可能性のある、「d因子」と呼ばれる新しい尺度を導き出した。ミシガン大学アナーバー校のHan Zhang教授らは、この研究結果を2023年10月25日付のオープンアクセス学術誌 PLOS ONE に発表した。
先行研究では、外部からの刺激、反復的な否定的思考、白昼夢など、さまざまなタイプの注意散漫について検討されてきた。いくつかの研究では、さまざまなタイプの注意散漫に対する脆弱性は、包括的な 「注意散漫係数 」によって数学的にとらえられる可能性が示唆されている。しかし、注意散漫因子に関する証拠は限られており、ほとんどの研究では、ADHDに関連するものも含めて、さまざまなタイプの注意散漫を包括的に検討したことはない。
さまざまな種類の注意散漫とADHDとの潜在的な関係をよりよく理解するために、Zhang氏らは、合計1,220人の参加者に、日常生活においてさまざまな種類の注意散漫を経験する傾向を評価するための広範な一連のアンケートに答えてもらった。アンケートでは、ADHDの症状や過集中(ADHDと関連することもある集中力が長時間持続する状態)も評価された。
参加者の回答を分析した結果、データで観察されたパターンを統計的に説明できる3つの重要な要因が浮かび上がった。研究者らは、これら3つの要因間の統計的関係が、単一の、より高次の要因によって説明できることを発見した。
さらに分析を進めると、d因子とADHD症状との間に強い統計的関連があることがわかった。d因子は過集中とも関連しており、過集中が注意力の問題を反映している可能性が示唆された。
これらの知見は、人々の注意散漫とADHDとの関係をよりよく理解するのに役立つ可能性がある。著者らは、d因子の性質とADHDとの関連をさらに探るための追加研究の必要性と、行動課題やテストなどのデータ収集方法を追加する必要性を指摘している。
著者らは、「われわれの研究の重要な発見は、一般的な注意散漫の特徴を表すと解釈できる高次の因子を同定したことである。一般的な注意散漫性」の特性が高い人は、多くの状況で注意散漫になりやすい。
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